IYAGI
INTERVIEW
先輩移住者インタビュー
掲載日:2026年7月31日
更新日:2026年7月31日

白石市
「おいしい」ってこんなに楽しいんだよ!白石で見つけた、家族も地域も笑顔になる暮らし。/木村郁子さん
- 地域づくり・交流
- 子育て
- 起業・開業
木村郁子さん
「冬は薪ストーブで暖まり、夏の間は家族で薪を割るんです。夫は自分で薪小屋まで作ってしまうほど、この土地での暮らしを楽しんでいます (笑)」そう話すのは白石市内で「つぶつぶ料理教室りぼん」を開業し、ご自宅で雑穀を使った料理教室を開催している木村郁子さんです。

木村さんは福島県相馬市のご出身。白石市に移住されて6年目を迎えます。
「食」を通し、ご自身の実体験も踏まえた「食と暮らし」の楽しみ方を発信し続けています。
料理教室のかたわら地域活動にも積極的な木村さんは、旦那さんと共に3人のお子さんの子育ても両立し、忙しくも充実した毎日を過ごされています。
そんな木村さんのこれまでと、今の暮らしぶりを伺ってきました。

宮城県南部に位置する白石市は、豊かな自然と歴史遺産が見どころです。また、東北新幹線「白石蔵王駅」により仙台市内や首都圏へのアクセスに恵まれているのも特徴で、市街地から少し足を延ばせば蔵王連峰や材木岩など四季折々の自然を楽しむことができ、都市の利便性と穏やかな暮らしのどちらも体現できる城下町でもあります。
「ここに暮らしたい」と思えたまち 「白石市」との出会い
木村さんが白石市に新居を構え移住を果たしたのは2020年のことで、移住前は青森県青森市にお住まいでした。旦那さんとは新卒で入社した会社の同期。お互いが他県勤務の時に遠距離でご結婚されたそうです。その後、木村さんは退職し旦那さんと同居されます。転勤が多かった事もあり、当時は住む場所に特別なこだわりは無かったといいます。そんな木村さんご夫妻でしたが、旦那さんが仙台市内にある本社勤務になったのと、次女のご懐妊を機にマイホーム計画を検討し始めたそうです。

木村さんは「最初は仙台市内で土地を探していたんです。でも、通勤ラッシュや土地の狭さなどを考えると、便利だけれど『家を建てる場所』としては何か違う気がしたんですよね」と振り返りながら、「家を建てるとなるとこだわりが湧いてきた」といいます。

そこで視野を広げ、新幹線で通勤できるエリアを検討した結果、候補に挙がったのが白石市でした。実家がある福島県相馬市にも白石市なら車で約50分と近く、以前から遊びに訪れていた馴染みのある場所だったのが理由としながらも「『白石、いいかも』と自然に思えたんです。特別な理由があったというより、『ここに暮らしたい』という、もう直感でしたね。」と声を弾ませます。
新居を構える場所に白石市を選んだ木村さんご一家は、新生活に向けて計画を進めていきます。
コロナ禍だって人と繋がれる!広がれる!
しかし、木村さんご一家が白石市に新居を建て始めた頃にコロナ禍の波が襲いかかることになります。
家を建てている最中にコロナ禍が押し寄せたことで、とても寂しい思いをしたという木村さんは「こちらに引っ越して来たら誰もいないんです。お祭りもない、イベントも地域の集まりも何もないんです、その時はただただ寂しかったですね」と、そのころを回想します。

そんな寂しさもあり、当時は”白石市移住交流サポートセンター109-one(トーク・ワン)”へ頻繁に足を運んだそうで「いろいろ相談していたら『面白い人がいるよ』って、市内でイベントとかをされている方を紹介してくれて、その方に『コラボして出店してみない?』って声を掛けられたんです」と、料理教室をはじめるきっかけにも繋がるエピソードを教えてくれました。
その頃はまだ料理教室はやっていなかった木村さん、それでもお砂糖を使わない雑穀スイーツは作れたそうで「それでもいいよって言ってくださって、その方はコーヒーで私はスイーツというかたちで、一緒に出させてもらったんです!今思えばそれが料理教室をやるきっかけだったかもしれませんね」と、しみじみと振り返ります。
その様な経験を得たことで「販売するよりも、一緒に料理を楽しめる料理教室をやりたい」と考える様になったとのことでした。

また、コロナ禍の不便さが、これまでの生活を客観的に振り返る機会にもなったとも。「白石に来る前(コロナ禍前)は、けっこう便利な生活だったなと思えましたし、それが当たり前になっていたなと思いました。夫も機能的で新しいものが好きでしたし」と、薪ストーブに眼をやる木村さん。

「まさかあの夫が薪ストーブを入れるなんて思ってもいませんでした(笑)」もともとは木村さんの発案であった薪ストーブに、機能的なもの好きの旦那さんが共感。今では休日になると家族で薪割りを楽しんでいるそうです。

「薪ストーブは、ボタンを押すだけでは動かないので。薪を割ったり乾燥させたり、寒い朝に火を灯す一手間もかかります。でも、その面倒くささがすごく良いと今は思えるんです」
コロナ禍と移住のタイミングが重なった事が、生活環境だけではなく考え方も変える機会になったといい、「結果的にはコロナ禍があったからこそ、素敵な人と繋がれて、地に足が付いた生活を楽しめています」と語る木村さんのお話しぶりからは、スローライフの心地よさが伝わってきました。

自分で作ってみたら美味しかった、雑穀の虜になった
現在、ご自宅で雑穀を使った料理教室「つぶつぶ料理教室りぼん」を開催している木村さん。
始めたのは白石市に来て1年ほど経ってからで、現在は月に4回くらいの頻度で開催しており、一回の開催につき4名くらいの生徒さんと、一緒に雑穀料理作りを楽しんでいるそうです。

雑穀料理と出会ったのは青森県に住んでいた頃だそうで、当時は「食」に関して無頓着だったという木村さん。雑穀料理教室をされている方に食べさせてもらったのがきっかけだったそうで「『美味しいってこういうことか!』と思いまして、興味が湧き、自分で作ったものが美味しいと体現できて、しかも身体が元気になった感覚が得られたんです!」と、雑穀に着目した理由を教えてくれました。

木村さんによると、『つぶつぶ料理教室』は全国に120教室ほど開業しているそうで、”未来食ヤマトナデシコCooking”から認定を受けた講師のみが開業でき、約3,000ある雑穀料理の公認レシピは、認定コーチだけが活用できるとのこと。
その”つぶつぶ料理コーチ”として認定を取得している講師は宮城県内で2名。木村さんはその一人です。

「例えばこの”タカキビ(高きび)”は、炊くとひき肉の様な食感となることから”畑のビーフ”とも呼ばれているんです…」と、雑穀の実物を手に、ヒエ(稗)やアワ(粟)など雑穀の種類を丁寧に教えてくれる木村さんでした。

「おいしい」が人生を変えてくれた
「もともと料理が得意だった訳ではないんですよ」という木村さんには、もう一つ雑穀料理に魅了された理由があった様で、そのことが木村さんの生き方に大きな転機をもたらしたのだそうです。
「実は結婚後、不妊症と診断されて治療を続けていたんです。治療や注射を繰り返すなかで、心も身体も疲れ切ってしまったといいますか…」と、その頃の事情と心境を打ち明けてくれました。「いろいろ試しましたね。サプリメントや漢方、薬膳、マクロビ、玄米食……。自分で調べて良いと思われるものは何でも取り入れてみました。でも、情報ばかり増えてしまい頭でっかち状態で、気持ちはどんどん苦しくなってしまったんです。」と、何のために治療を続けているのかが解からなくなったそうです。

その時に青森で出会ったのが「つぶつぶ料理」だったそうで、初めて口にした料理の美味しさは、木村さんの抱いていた健康食のイメージを大きく覆したのだそうです。
「健康のために我慢して食べるものじゃなくて、『おいしい』『楽しい』と思えたんです。」と語る木村さんは、食べることを楽しく感じたら、ご自身の身体にも少しずつ変化を感じるようになったといいます。

「食べることって、本当は楽しむものだったんだと、その時に初めて気が付いたんです!」と、ご自身の生き方を変えた大きな出来事と、雑穀料理の虜になった深い理由を説明してくれました。
その経験について木村さんは「医学的な根拠もありませんし『これを食べれば健康になる』という事ではないんです」と強調したうえで「私が教室で伝えたいのは、料理を楽しむこと。『おいしいね!』と笑いながら食卓を囲む空間が大切ということなんです」と力を込めます。
みんなの「笑顔」が見たくて
インタビューが一通り終わりを迎えると、キッチンに移動した木村さん。
この日はなんと、私たちに”つぶつぶ料理”のお振舞をしてくださいました。

「せっかくなので、試食して欲しくて(笑)」と、満面の笑顔でキッチンに立つと、それに張り付いていく3人のお子さんたち。その瞳がキラキラしていたのが印象的でした。

私たちがいただいたメニューもデザインされています。
「私は、お料理を作って売るとかじゃなくて、作って、一緒に食べて、美味しくて、みんなの笑顔が見たいんですよね。だから料理教室を始めたんです」ご準備してくれた料理を一緒に食べながら、こう何気に語りかけてくれた木村さん。
気が付けば、そこに居る全員が笑顔で食卓を囲んでいて、和やかで素敵な空間が生まれていました。

そんな空気感が好き
「街の雰囲気はどんな時も落ち着いていて、車も多すぎず、人ものんびりしている」
白石市の空気感をそう表現してくれた木村さん。
ご近所の人たちとの交流ものんびりしていて好きだといいます。

「今日、取材が来るので、とお向かいにある花屋さんにお願いしたんですけど、いろいろ考えてくれて綺麗に飾ってくれたんです」また「この辺は割と新しい住宅地なので、古くからの地元の人は少ないんですが、皆さん気軽に声かけあったり、交流は深いですね」ご近所のコミュニティも良好な様です。

そんな木村さんに、おすすめスポットを尋ねると「材木岩公園が好きで、季節を通して良く足を運びます」とのこと。

”材木岩公園”は七ヶ宿町寄りにある国の天然記念物で、迫力ある岩壁や季節ごとの景色に加え、夏には水遊び、春にはたくさんの鯉のぼりが空を泳ぐ風景が楽しめる白石市のみどころの一つです。

とにかく「一緒にたのしみたい」
今後の目標は?とお聞きすると木村さんらしい、ご自身の経験を踏まえた回答が返ってきました。「私が料理教室で伝えたいことは『頑張り過ぎないで』ということなんです」と眼を輝かせる木村さん。
詳しく尋ねると、「食」の果たす役割は家庭内で大きな割合を占めているとし、近年では、益々母親の「食」に対する責任が重くなり続けていると感じているそうです。

「食事のみならず、子供たちを病院に連れて行くのも大変ですし、買い物だって大変ですからね。そんなお母さんたちの子育てライフを、もっと軽やかで楽しいものに出来たらなと思います」と語ってくれました。

「お料理も頑張らなくて良いんです、楽しんでいたらいつの間にか笑顔になっていくという、この白石にそんなご家庭が増えていったらいいなと、それだけなんです(笑)」
最後にこんなことを話してインタビューを締めくくってくれた木村さん。
インタビューの間、笑顔が絶えなかった木村さん。自然体の“優しさ”が伝わって終始和やかな空気に包まれていました。また、木村さんご一家のスローライフが羨ましくも思えた。そんなインタビューになりました。
木村さんのご活躍ぶりはこちらからもご覧いただけます。
インスタグラム:https://www.instagram.com/tubutubu_reborn/
ブログ:https://ameblo.jp/1susumu/
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