MIYAGI

INTERVIEW

先輩移住者インタビュー

掲載日:2022年7月6日
更新日:2023年3月9日

美里町

my「ちょうどいいテンポ」はこごだ!/橋本 和博さん

  • UIJターン

橋本和博さん

宮城県北東部に位置し、小牛田町と南郷町の2町が2006年に合併して誕生した美里町。交通の利便性に優れながら、田畑も広がる自然豊かな町です。
町の魅力に惹かれ、東京からJターンをされた橋本和博さん。
自らの足で町を廻り、地名や周辺地域の話題をまとめたエッセイ集「こごた便り」の発行や、私設こごた観光局の開設など町の魅力発信に務めております。
橋本さんが大好きな県北、美里町に移住されたきっかけや、現在の暮らしぶりについてお伺いしました。

たどり着いた魅力ある町

愛知県名古屋市出身の橋本さんは、就職をきっかけに東京へ上京します。お仕事ではスイスやドイツなどの海外生活も経験。
お子様も独立され、ご自身の定年が見えてきた頃、今後の生活についてご夫婦で考え始めたそうです。
「東京という大都会だと物価も高く、定年後の生活には不向きだと感じました。自分か妻の故郷へ戻ることも考えましたが、あまりメリットを感じられませんでした。」と、そこで地方に移住することを決めたそうです。「妻が暑い所が得意ではなかったこと、積雪量が少なく、都会からあまり離れていない場所をポイントにしました。」という条件に合いそうな太平洋側で移住先を探していくことにしたそうです。

手書きの図を手に美里町の魅力を説明する橋本さん

 

仕事の休みを利用し、さっそく奥様と東北地方を中心に移住先の候補地を巡り始めます。
新幹線で“仙台駅”を経由して“古川駅”を訪れた印象は「高い建物があまり無く、景色が広く感じました。あとは、ひとめぼれの故郷と言われている通り、お米がとても美味しかったです。」と当時を振り返りながら橋本さんは続けます。
「不動産物件を何件か見ましたが、価格が東京の半分ほどであることに驚きました。もっと安い物件もあるのではと思い、秋田や岩手、山形にも足を運びました。」と言う橋本さんは各地を巡る中で、宮城県の魅力に惹かれ、暑さや積雪などの条件をクリアできる場所を絞ると、再び宮城県を訪れて、古川から美里町の小牛田に足を伸ばしました。
「小牛田駅は仙台まで45分程の好立地だったことや、太平洋側の気候で、冬の降雪量も少なく、積雪期間も比較的短いことが自分たちの条件に合っていると感じました。実際に小牛田を見て回る中でその想いは強くなり、ここに決めようと決断しました。」と橋本さん。そこからは小牛田を訪れる度に不動産物件を見て回り、『ゆとり~と小牛田』という住宅街に家を購入し、2018年に移住されました。

移住者の視点で

橋本さんが東京から来たことを地元の人に話すと「なぜ何もない小牛田に来たの?」とよく聞かれるそうです。
「いい所じゃないですかと返すと、『此処には何も無いですよ』とよく言われます。私は都会に住んでいる方にとって『何も無い』は大きな価値だと思っています。何でもある都会は便利で若い頃はいいのですが、歳を取るとテンポが早く感じてきました。今の私にはこの小牛田のテンポが“ちょうどいい”んです。」と小牛田だからこその魅力を教えてくれました。
そんな橋本さんも、移住当初は方言などの言葉が分からず戸惑うこともあったそうです。
「5年目になって、方言にも慣れてきて、聞き取り、想像ができるようになってきました。ここは“こごた”ですが、地元の方は“こごだ”といっているように聞こえます。最近では“こごだ”の方が耳なじみが良くなってきました(笑)」
仙台へ出かけた時など、小牛田駅に帰ってくると「帰って来たなぁ」と安心するようになったと笑顔で話してくれました。

橋本さんは、美里町に移住してからこの地の魅力をぜひ伝えたいと自然や食べ物などを話題にしたメッセージを全国の友人、知人にメールマガジン形式で配信をされていました。
すると周りから「面白いから出版してみたら?」と勧められ、どうせならと冊子として情報をまとめる事にしたそうです。

「自分で文章を作り、校正作業をしたり、地元の印刷所に頼んで製本したりと、色々やって出来たのがエッセイ集“こごた便り”です。」と、こごた便りを手に橋本さんは説明してくれました。
“こごた便り”を制作するに当たって、橋本さん自身の名前ではなく“こごた”という地域自体が広まってほしいという想いから『私設こごた観光局』を立ち上げたそうです。

“こごた便り”を手にする橋本さん

 

 

“こごた便り”を置く棚も橋本さんが制作

橋本さんに“こごた便り”にも載っている、美里町のオススメのスポットをご案内いただきました。

鳴瀬川サイクリングロード

橋本さんは、美里町に来てから近場の移動は徒歩か自転車を利用し、よく色々な場所を散策されているそうです。
鳴瀬川沿いのサイクリングロードは川と季節の草花を見ながら颯爽と走れる心地の良いところでした。川の奥に見える南郷のカントリーエレベーターを赤い屋根のお城のような特徴的な形から、橋本さんは『キャッスル練牛』と名付けていました。

写真右奥に見える赤い屋根のカントリーエレベーター (米や麦、大豆などを乾燥、貯蔵、調製、出荷まで一環して行う施設)を背にサイクリングロードを走る橋本さん

加護坊山

標高224メートルの豊かな自然に包まれた山で、山頂からは仙台市や石巻市まで360度のパノラマで見渡すことができます。
「この綺麗な田園風景は長い間、毎日農家の方々が仕事をしてくださってできた風景です。ここに初めて知り合いなどを連れてくると『こんな風景があったのか』と、とても喜んでくれます。」
取材当日も遠くまで見渡せる圧巻の景色が広がっていました。

加護坊山からの風景

 

「実はこの山自体は、お隣の大崎市にあるので美里町の紹介としてはちょっとずれてしまいます。美里町も含め県北全体が見渡せますし、私は県北としての魅力も伝わればなと思うので好きな場所の一つです。」橋本さんは『私設こごた観光局』だからこそ垣根のない紹介ができればとも語っていました。

最後に橋本さんが普段から通っているという“カフェ ピカ (Cafe PIKA)”へ移ってお話をお聞きしました。
ウッドハウスのような暖かい雰囲気の店内と、マスターの淹れるコーヒーの香りが広がる“カフェ ピカ (Cafe PIKA)”は地域の集いの場的な所で、様々な方と輪が広がるお店だそうです。

ちょうどいいテンポで

橋本さんは改めて、美里町でゆったりと自分のテンポで過ごせている日常について語ってくれました。
「時間はたくさんありますので、妻と近所に買い物に行くのにも、今日はこっちの道、明日はここを通ってみようというように毎日違う道を通ったりしています。そこで見つけた喫茶店で休んでみたり、日々新しい発見を楽しんでいます。」と、その日の偶然の出会いを楽しんでいる橋本さん。知らなかった土地だからこそ沢山の発見があり、楽しめているセカンドライフのようでした。
「天気がよければ庭の草取りをしたり、畑を耕したり、ふらっとサイクリングに出たり、その時の気分と体調でゆったりと過ごしています。」という橋本さんは、美里町は空気や水がとても美味しい所だとしみじみ語ります。海外生活を経験したからこそ、日本で美味しい水を当たり前に飲むことができる環境に感謝していると言います。

Jターン:名古屋⇒東京⇒小牛田(こごた)。my「ちょうどいいテンポ」はこごだ!

 

今後の活動についてお伺いしました。
「美里町では、今年4月から地域おこし協力隊がスタートし、若いメンバーが町を活性化しようと頑張っています。“こごた便り”などの活動を知ってそのメンバーが私と話をしに来てくれたりします。そんな協力隊メンバーと意見を交わしながら、自分も楽しんで役に立てることをしていきたいと思っています。」と意欲に満ちた橋本さん。
また、海外生活の経験を活かして“こごた便り”の英語版の発行も検討しているそうです。
「今は海外からの旅行者はいませんが、以前は小牛田駅の周りにも海外の方がよく来ていました。案内所にはなかなか英語対応のものが少ないので、そんな時に読めるものがあれば面白く思ってもらえるのではと考えています。」という橋本さんならではの考えに驚くばかりです。

最後に橋本さんから、これから移住を考えている方にアドバイスをいただきました。
「地方移住は“1.動物(虫)への受容力”、“2.不便を楽しむ力”、“3.知らないものへの好奇心”この3つを持てない方はおすすめしません。田舎は虫や動物が当たり前に出てきます。夏は草刈りをしないといけなかったり、不定休のお店も多く、24時間営業のお店は本当に少なく不便を感じると思います。そして、好奇心があって、恥ずかしがらずに人に聞くことができるような方でなければ地元の方ともしゃべる機会がなくなってしまいます。これらをクリアできる方は地方移住が向いていると思います。」と話す橋本さんは、『自分のテンポで』と言っていましたが、とても活動的でまだまだ、美里町、県北の魅力を発信するためにご活躍されていきそうです。
“こごた便り”には今回紹介したスポット以外にも橋本さんの言葉で地元の魅力が沢山書かれています。
気になった方は、小牛田駅の総合案内所で是非手にとってみてください。

また、ご自身でお作りになったHPでも活動をご覧になれますので覗いて見て下さい。
”私設こごた観光局”(https://cherilabadiena.wixsite.com/website

(2022.6)

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