MIYAGI

INTERVIEW

先輩移住者インタビュー

掲載日:2022年12月26日
更新日:2023年3月13日

色麻町

色麻町の子育てしやすい環境に助けられながら/ロア・ウィリアムさん、ロア・由貴さん

  • 子育て

ロア・ウィリアムさん、ロア・由貴さん

宮城県の北西部加美郡にある色麻町。西側が奥羽山脈の山岳地帯、東側は大崎平野にかかる美しい自然に恵まれた田園のまちです。また「かっぱ」にまつわる神秘的な伝説が残る地域としても知られています。ここ色麻町に移住されたロア・ウィリアムさんご家族。
奥様のロア・由貴さんは石川県のご出身で、ご自宅でアロマサロンを開業されています。旦那様のロア・ウィリアムさんはフランスのご出身。隣町の加美町にアトリエを構え、木工職人として事業を展開されています。
お二人のお子様も交えて移住のきっかけや、色麻町での暮らしぶりについてお話をお聞きしました。

左から長女の愛芽莉(あめり)ちゃん、次女の愛麻(えま)ちゃん、由貴さん、ウィリアムさん

 

「私のことばかりではなく妻のこともたくさん書いてくださいね」とウィリアムさん。 奥様を気遣う言葉から優しさが伝わってきます。

色麻町でのアロマサロン開業

お伺いしたのはロアさんご家族のご自宅。そこは色麻町にある閑静な住宅街で、旧色麻小学校の敷地跡にあるとても風情がある住宅地でした。かつてここにあった学校の「校門」がそのまま残されていて、ちょっとした歴史遺構とも言えます。その校門を入りほどなく進むと「アロマサロンRoyal」のかわいらしい看板が出迎えてくれました。

由貴さんがご自宅で営まれる「アロマサロンRoyal」(女性限定の完全予約制)

 

由貴さんに開業のきっかけをお伺いしました。

 

お部屋に入るとアロマの香りに包み込まれとても癒されます。

 

 

「結婚前は、金沢市や仙台市のサロンで勤務していました。勤務時代は心身ともに疲れている時もアロマの香りに何度も癒され救われてきました。アロマテラピーや体をケアするアロマトリートメントは地域や年代によっては、あまり知られていないので、良さを広めていきたいなと思っていました。」と由貴さん。
しかし、様々なリスクを考え、さらには引っ越し続きだったことも重なり、なかなか自らサロンの開業に踏み出すことが出来なかったそうです。
「色麻町に家を建てると決まったとき、サロンの開業をなかなか決めきれなかった私を、ウィリアムが『やってみようよ』と背中を押してくれて、それで決断することができました。」と当時を振り返ります。
「ウィリアムは、まずはなんでもやってみようという気持ちが強い人なので、普段からとっても勇気付けられています。」と由貴さんは言います。

「ウィリアムのプラス思考に救われてきた。」と話す由貴さん。

 
 
 

アロマオイルとハーブボール

 

 

「施術ではアロマトリートメントと植物の詰まっているハーブボールを当てて体をほぐし温めます。ハーブボールは柔らかくて気持ちよく、リラックスできるのでご高齢の方にもおすすめです。機械ではなくオールハンドでトリートメントを行いますので、人の手の温もりを感じて頂けるのも良い点だと思います。一度受けたらこんなにも気持ち良かったんだと言ってくれる方もいらっしゃいますね」
最近では、リピーターのお客様が徐々に増えてきていると由貴さんは言います。

「まだオープンして1年ほどということもあり、地元でもあまり知られていませんので、地域での行事に出店をしたり、少しずつアロマトリートメントやアロマテラピーの良さを広めていけたらと思います。」と目を輝かせる由貴さんは、本業のアロマサロンの傍らウィリアムさんが営む会社でも、経理や顧客対応なども担っているそうです。

単身訪れた日本で出会った「宮大工」という仕事

宮大工との出会いと、ご自身の仕事について話すウィリアムさん。

フランス人のお父様と日本人のお母様の元に生まれたロア・ウイリアムさんは、17歳から木工職人としての修業を重ねてきたそうです。
「フランスにはマイスター制度という職人の専門制度があります。家具や建具の職人になるために、17歳の時からフランスの各地で修行をしてきました。」とウィリアムさん。
「マイスター制度の修行の中には、1年間海外で腕試しをしながら経験を積む期間があります。母の故郷で技術を学びたいと考え、日本に渡ってきました。」と語るウィリアムさんは、日本語がほとんど片言の状態で来日されたと言います。
まさに由貴さんが言う『なんでもやってみよう』のマインドを象徴したようなお話です。

「まずはなんでもやってみる」と力強く語ります。

そんなプラス思考のウィリアムさんにも、予想外の困難が待っていたそうです。「当時の日本は不景気で、ヨーロッパ系の外国人労働者は正直必要とされていませんでした。家具職人として仕事を探していましたがなかなか見つけることができませんでした」と話してくれたウィリアムさんですが、その隣で優しく頷く由貴さんの仕草から当時のご苦労が伝わってきます。

その後、山形県に住む知人に相談をしたところ『宮大工』の仕事を紹介してもらうことができたそうで、これがウィリアムさんの転機となります。
それまで宮大工がどんなものか知らなかったというウィリアムさん。
「お寺や仏閣、神社などの制作に携わる仕事だと解り、もともと日本の技術を学びたいと思っていたので、山形県で宮大工の修行をさせていただきました。」
宮大工のお仕事に就いたウィリアムさんは、各地を転々とし、実践しながら修行を積んでいきます。

ウィリアムさんが制作に携った寺や神社のお写真。

 
 

ウィリアムさんが自作した木工CNC旋盤 ※CNC旋盤は、コンピューター数値制御で切削加工をする工作機械です。

ウィリアムさんの会社「ロア木工」は、木工職人としてフランスや日本で身に着けた技術を融合することで、独自の世界観を生かしたオリジナルのものづくりを理念とされています。
ウィリアムさんは言います「伝統技術と最新のテクノロジーはどちらもとても重要です。これからは、これらをかけ合わせたものづくりの時代になると思います。」

偶然が重なった二人の出会い

由貴さんのご出身は石川県の金沢市ですが、宮城県とは深い縁があったそうです。
「私の母は石巻市出身でした。祖父母が石巻の須江で農業をして暮らしていたので、幼い頃から年に一、二度は宮城県に遊びに来ていました。」と由貴さん。その後、石巻市に移住し、仙台市のサロンなどに勤務するようになりますが、ウィリアムさんとの出会いも石巻市だったそうです。
「ウィリアムが茶室の施工のために石巻に来ていた時に偶然出会いました。その後サロンの仕事で埼玉に出張をする機会があったのですが、その時も彼は埼玉に来ていて、偶然の再会でした!」とお付き合いの始まりを教えてくれました。

お二人の出会いの頃を話してくれるウィリアムさんと由貴さん。

 
 

その後、お二人はご結婚をされます。
ウィリアムさんは当初「いつかはマイホームを自分の手で建てたい」と考えていたそうです。しかし、お仕事が忙しく、ご自宅を建てるタイミングが延びていってしまいました。

お二人は、次女の愛麻(えま)ちゃんが生まれることをきっかけに本格的に定住先を探し始めます。
その際、ウィリアムさんは自分の手で建てようと思っていたマイホームを、「もうプロに任せてしまおう」と切り替えたそうです。すると偶然、色麻町で条件の良い場所と出会いました。

色麻町の故郷に似た雰囲気が好き

ウィリアムさんのご出身地はフランスのヴァンデ県。世界一周のヨットレース「ヴァンデ・グローブ」が有名な歴史ある風光明媚なところです。「色麻町は、気候や佇まいが私の故郷にどこか似ています。そこが気に入りました。」と語るウィリアムさんは「仙台にも近くアトリエのある加美町にも近いし、自然も豊かで住みやすいと思います。」と地の利の良さも気に入っているようです。
地域コミュニティが活発な色麻町では、ご近所の方との触れ合いも多く、はじめは戸惑うこともあったそうですが、今ではすっかり馴染んで、楽しいことばかりだと言います。

地域イベントの「餅つき」では参加者みんなにお餅がふるまわれ、地域の一体感を感じたというウィリアムさん。

 

 

由貴さんに子どもの頃の宮城での思い出をお聞きしました。
「夏は祖父母の家の周りの山の中で遊んだり、その家から石巻の川開きの花火を見たのが印象的でした。お正月にはずんだ餅を食べたり、笹かまぼこや美味しいお魚を食べたり、宮城の食文化なども子供のころから馴染みがありました。」という由貴さんは思い起こすように続けます。「祖父母は亡くなってしまいましたが、私が子供のころは、毎月のように石巻から金沢まで野菜やお米を送ってくれましたね。私は石川県にいながらも宮城県の野菜とお米で育ちました。」としみじみ語ってくれました。

由貴さんにとって宮城県は祖父母との思い出がある場所。そんな宮城県で子育てを出来るというのは嬉しいと言います。

お子さんを見つめながら、宮城での思い出を話す由貴さん。

 

豊かな自然と子育てのしやすい環境

お二人はこのまちの子育てがしやすい環境に助けられていると言います。
由貴さんは、「色麻町は薬莱山(やくらいさん)に近く自然も豊かで、未就学児のための施設や子ども向けのイベントも多いのでとても気に入っています。また、色麻町子育て支援センターが近くにあるのも心強いです。近隣には同年代のご家庭も多く、子どもが一緒に遊んだりできるのも嬉しいです。」と、多忙ながら子育てのしやすい環境に満足している様です。

お子さんたちも「公園やお友達の家も近くにあって楽しいよ」と元気よく話してくれました。

どんなときもお互いを思いやりながら

最後にお二人に「これから」をお聞きしたところ、
ウィリアムさんは、「この色麻町から自分の技術と製品を広げていきたいです。」と。
由貴さんからは、アロマサロンのサービスを「より多くの方にアロマトリートメントやアロマテラピーを身近に感じていただき、地域の皆さんを元気に、一緒にアロマを楽しんでいきたいです」と迷いなく力強い言葉が返ってきました。

お互いを思いやりながらどんな時もプラス思考のお二人と、明るく元気なお子さんたち。
ここ色麻町で素敵なご家族にめぐり合えて、私たちもとても温かい気持ちになりました。
木工の事業とアロマサロンで奮闘されるお二人。ともに今後の活躍が楽しみになりました。

お二人のご活躍ぶりはこちらからご覧いただけます。ぜひご覧ください。

【アロマサロンRoyal(ロイヤル)】
・ホームページ
https://www.royaromayu.com/
・Instagram
https://www.instagram.com/aromaroyal_yuki/

【ロア木工】
・ホームページ
https://www.roymokkou.com/
・YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/roymokkou
・Instagram
https://www.instagram.com/roymokkou/
・Facebook
https://www.facebook.com/roymokkou/
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(2022.11)

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