MIYAGI

INTERVIEW

先輩移住者インタビュー

掲載日:2023年9月1日
更新日:2023年9月1日

柴田町

「今やるしかない」タイミングで故郷に戻り夢かなえる/吉田謙治さん

  • 地域おこし協力隊
  • 地域づくり・交流
  • 起業・開業

吉田謙治さん

仙南地域の北西部に位置する柴田町。町の中央部には白石川、東南部には阿武隈川が流れ、「日本さくら名所100選」に数えられる船岡城址公園と白石川堤の一目千本桜が有名です。そんな自然に恵まれた故郷の豊かさを実感しながら地域おこし協力隊として赴任し、念願かないアウトドアショップを立ち上げ、地域に人を呼び込もうと精力的に活動する吉田謙治さんにお話を伺いました。

各地を移り住んで改めて感じた地元の魅力

1976年生まれ、福島県河東町(現会津若松市)出身の吉田さんは10歳の時、父親の転勤で柴田町へ引っ越し、大学進学で横浜市へ。卒業後には東京都内で就職し、2005年に外資系IT企業直営店のオープニングスタッフに採用され宮城に戻りましたが、2014年再び都内勤務となりました。

約10年に1度のペースで拠点が変わる生活を経て、2021年5月、小学~高校時代を過ごした柴田町に戻ってきました。

子どもの頃から自然に親しみ、高校ではスキー部に所属、大学時代は登山にも熱中した吉田さん。社会人になってからもアウトドアを趣味とし、アウトドアショップに足しげく通ってグッズを手に取って見るだけでも楽しく、いつか自分でショップを持てたらと思い浮かべていました。

帰省するたびに目にする、満天の星の美しさをはじめとした、柴田町の豊かな自然。もちろんアウトドアのフィールドとしての魅力も、改めて感じていました。「誰しも若い時は地元を物足りなく感じると思いますが、外に出て戻ってくると見え方が変わりますよね」と吉田さん。

新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中で、今後の生き方を考えていた時、柴田町で起業型地域おこし協力隊を募集していることを知ります。「タイミングも条件もぴったりで、これはもう今やるしかないと思いました」

1年間の地域活動でつながりを広げ、出店へ

採用が決まり、すぐにでも開業の準備に取りかかろうという意気込みでやって来た吉田さんでしたが、町からはまず1年間、地元の人たちと交流しながら町おこし活動にも参加して、その中で出店場所を探すことを勧められます。「最初の1年は、とにかくいろんな所に行ってイベントのお手伝いや町のPRをしたり、SNSで情報発信をしたりしていました」

結果的にこの1年が、その後の起業にもいい影響をもたらすことになります。柴田町で暮らすさまざまな人たちと出会い、ネットワークが広がりました。アウトドアショップの開業を宣言していたことで、年配のカヌー愛好家に誘われて阿武隈川や白石川で共にツーリングを楽しみ、川から見る景色も知りました。

活動と並行して出店場所を探し、現在の物件にたどり着きます。実績のない個人事業主ですので審査は厳しくなりましたが、所有者に思いを伝えて契約にこぎ着けます。こつこつとためていた自己資金を元手に、これも自身の趣味であるDIYの技を生かして、什器(じゅうき)を作って内装は完成。

仕入れに関しては、日々アウトドアショップを訪れていたことが情報収集や市場調査につながり、店を出したら並べたいと思っていたアウトドア用品のメーカーに一社一社連絡を入れて契約を結んでいきました。

アウトドアグッズを災害の備えにも、日常にも

晴れて2023年3月、アウトドアセレクトショップ「OUTDOORSMAN(アウトドアズマン)」を柴田町内にオープン。町内だけでなく仙台など県内各地、さらに山形や福島からも客が訪れています。

「ソロキャンプがはやり始めて、コロナ禍もあって盛り上がり、ホームセンターや100円ショップでもアウトドアグッズの取り扱いが増えました。そういうところを入り口に、もっといいものを欲しくなったり、こだわりたくなったりした人たちに、国内外のいろんなメーカーがあることを知ってもらって、お薦めのギアを提供したいです」

アウトドアグッズは災害時の備えにもなります。「実は私もキャンプを本格的に始めるきっかけは、東日本大震災後に備えとしていろいろ買っていく中で、防災としてテントが欲しいなと思ったことでした。何かの時に家にあるライトやランタンが役に立ち、テントを立てられたらいいですよね」

非常時だけでなく日常生活にも取り入れられます。「アウトドア用の食器も普段から使えますし、ちょっと外に出て椅子とテーブルを置いて、バーナーでお湯を沸かしてコーヒーを入れて、シェラカップで飲むだけでも味が違って感じますよね」。アウトドアグッズの魅力を語る時の吉田さんは冗舌です。

取材当日は仙台市中心部の商業施設「仙台フォーラス」でポップアップ営業中。「こうしたイベントやネットを通じて知ってくれた新しいお客さんも増え、リピーターの方も少しずつ付いてくれているのでうれしいです」

豊かな生活を実感しながら、町に人を呼び込む

店の切り盛りの傍ら、アウトドアで人を呼び込もうと、オートキャンプやブッシュクラフト(最低限の装備で自然の資源を活用して過ごすキャンプのスタイル)のアドバイザー資格を取得。地域おこし協力隊の活動に生かそうとチェーンソーや草刈り機の講習を受け、いずれ害獣の駆除にも役立ちたいと狩猟免許も取得しました。

地域活動にも精力的に取り組んでいます。柴田町に伊達政宗公の騎馬像が数多くあることをメディアで紹介し、船岡城の御城印を作り、槻木宿、船迫宿の御宿場印も新たに作成中。こうした活動も、アウトドアショップの運営も、根底にある思いは同じです。

「キャンプ好きな人は遠くからでも来てくださるのですが、それ以外にも、東北や関東などいろんな所から柴田町に足を運んでもらうきっかけを増やしていければ」と吉田さん。「ほぼ休みなく動いていて正直大変ですけど、好きなことをやっているので楽しいですし、毎日が充実しています」と笑顔を見せます。

柴田町の環境がそれを支えてくれています。「ストレスがなくて、食べ物もおいしい。直売所がたくさんあって、そこで売っている野菜や果物は新鮮で、しかも安い。その土地じゃなきゃ買えないものもたまに並んだりして、すごく面白いです」。そして、「生活が豊かだと感じます」と続けます。

そんな豊かな生活を求めて宮城への移住を考えている方に、先輩移住者としてアドバイスを伺いました。「やっぱり現地で町の空気を味わってもらうのが一番だと思います。また、地域おこし協力隊の人は情報発信をしていることも多いので、アプローチすればきっと返してくれると思います。いいことだけでなく、想像と違った部分も含めて、リアルな声が聞けるのではないでしょうか」

アウトドアショップの運営、柴田町での暮らしや自然の中でのアクティビティ、地域おこし協力隊としての活動など、吉田さんも情報発信を行っています。その様子を通して、移住生活のイメージを膨らませてみてください。

吉田さんの活動はこちらからもご覧いただけます。

・OUTDOORSMAN(アウトドアズマン) HP

https://outdoors-man.com/

・Instagram

https://www.instagram.com/outdoorsman_2020/

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