MIYAGI

INTERVIEW

先輩移住者インタビュー

掲載日:2025年1月14日
更新日:2025年1月14日

七ヶ宿町

雪が好き。「ここが私の着地点」四季の表情が豊かな七ヶ宿。/岡崎麻美子さん

  • 地域づくり・交流
  • 子育て
  • 就業

岡崎麻美子さん

七ヶ宿町観光協会に勤務される岡崎さんは東京都ご出身。ご家族でここ七ヶ宿町に移住して今年で6年目を迎えます。この日は勤務先の観光協会がある七ヶ宿町役場にお邪魔して、岡崎さんに移住のきっかけや暮らしぶりなどを伺ってきました。


宮城県民の水がめ「七ヶ宿ダム」

七ヶ宿町は宮城県南西部に位置し、福島県と山形県に接する自然豊かな町です。江戸時代に参勤交代で使われた「七ヶ宿街道」が町の中を走り、宿場町として栄えました。現在でも歴史を感じる建造物・文化などが地区の名前として残っていることが特徴といえます。また森林が町の90%を占め、白石川の源流、そして「七ヶ宿ダム」を有する七ヶ宿町は「水守の郷」とも呼ばれています。四季折々の変化が美しい山々や、蔵王連峰を湖面に映す「長老湖」、大迫力の「滑津大滝」など、大自然が織りなす絶景を観ることができます。


七ヶ宿町への移住のきっかけは?

七ヶ宿町の自然に惚れ込み移住を決めたという岡崎さんに、そのきっかけを詳しくお聞きしました。
移住のきっかけの1つとなったのは、学生の頃に出会ったスノーボード。
その面白さに没頭し、東京に住んでいたものの、冬場はスキー場に通うためだけに仙台市太白区の八木山にお家を借りていたほどだったそうです。
また雪の降る地域への憧れもあり、仙台のお友達の家に毎年遊びに来ていたそうです。
その頃から「海も山もあって、雪もあって、夜景も綺麗な宮城はいい!」と宮城県が好きで関わりが深かったといいます。


初心者・ファミリー向けの「七ヶ宿スキー場」

そんな中、毎年遊びに行っている仙台のお友達が「七ヶ宿町」を教えてくれたそうで、「七ヶ宿町は子育て支援が充実していて、なんとスキー場もある!」という話を聞いて胸が高鳴ったのだそうです。
岡崎さんご夫婦は田舎暮らしが夢だったことも重なって、さっそく移住を考えることになりました。
宮城県に馴染みがあったこと、お友達に教えてもらった七ヶ宿町が気になっていたこともあり、移住先の候補を宮城県に絞り込んだのだそうです。


とんとん拍子に決まる仕事や住まい。気が付いたら移住してました(笑)

その頃にタイミング良く、七ヶ宿町が参加する移住フェアが東京で開催されており、七ヶ宿町の職員の方の話を聞くことができて、その出会いもまた印象的だったといいます。
岡崎さんは「話すことはね、七ヶ宿のことではないの!すぐ隣に山形県があってラーメンが美味しいよ!って、隣の県のことばかり紹介してきて」と、笑います。


「移住フェア」の時のことを面白おかしく話す岡崎さん

それを聞いたご主人曰く「この人おもしろい!嘘をついていない!」と。
その職員のお人柄に触れ、お二人は七ヶ宿町を好きになったそうです。
その後はさっそく、家族で七ヶ宿町に遊びに訪れ七ヶ宿くらし研究所が運営する「お試し住宅」を利用して宿泊する展開に。
岡崎さんは「こ〜んなに自然がすごいんだ!抜けるような青空が広がっていて、緑も濃くて。
家族、わんちゃんと一緒に、毎日こんなところで散歩できたらいいな〜と思いました」とその時の感動を思い出し目を輝かせて話してくれました。


広大で七ヶ宿ダムも展望できる「七ヶ宿ダム自然休養公園」

大自然の美しさに心を奪われた岡崎さんは、1泊延泊をして七ヶ宿町役場へ。
課題だった仕事や住む家もとんとん拍子に決まり、「気がついたら半年も経たないうちに移住してました!」と嬉しそうに当時を振り返ります。


マイナスイオンたっぷり「滑津大滝」


他にもあった「七ヶ宿を選んだ理由」

移住を検討し始めた当時は、0歳、小1、小3のお子さんと旦那さんの5人家族のほか愛犬との暮らしを送っていた岡崎さんご一家。
移住を決断する過程では、一年の内で一番寒さの厳しい冬の時期に七ヶ宿に来てみて、自分たちが住めるかどうかを検討したりもしていたそうで「来てみたら不安よりも先に、子ども達が雪で思いっきり楽しく遊ぶ姿をみて、大変よりは楽しいが勝っちゃって(笑)」という岡崎さんですが、七ヶ宿町を選んだ理由は他にもあったそうです。
「子育て支援制度が充実していますね。首都圏で働いていた頃は、自分のバイト代はほぼ保育園代に消えていて、『自分は役に立っているのか?子どもと離れるために働いているのかな?』と自分が働いている意味が見出せなかったんです」という岡崎さん。


県内トップクラスの子育て支援制度は小さい町だからこそ

子育て応援支援金や保育料・給食費・18歳までの医療費が無料など、子どもの成長と環境に併せて支援が行き届いているところも七ヶ宿町の大きな魅力だと、具体的に説明してくれました。


一人一人の役割や力が目に見える町

地域のイベントが多く、そのおかげですんなりと町にも馴染めたと話す岡崎さんは、
「七ヶ宿町では地域のお祭りや催しは、町民が協力して開催されていて、人が少ないからこそ仲も深まっている」と、この町のコミュニティの良さを考察します。
「お祭りの後には懇談会が行われ、ご近所さんと交流する場が当たり前のようにあるんです、私たちが引っ越してきた時も、懇談会の中で地区の人に家族を紹介してくれて、すごくホッとしたし、馴染みやすかったです」と移住した6年前を振り返ります。
「こちらも安心するし地域の方も安心ですよね」と町のコミュニティ力を賞賛します。


「七ヶ宿の自然が好き」と言う子ども達は七ヶ宿大好きっ子

また、ご近所さんとの関わりが嬉しかったエピソードの1つとして、
「玄関が急にガラッと開いて、近所のおじいちゃんが野菜を持ってきてくれて『野菜持ってきたぞ〜食べろ〜』って当たり前のように持ってきてくれてビックリです(笑)」
人口が少ない町だからこそ、こうして人々が助け合って生活してきているんだな、と感じたそうです。
「一人一人の役割や力が目に見え、助けられると感謝でいっぱいです。だからこそ、自分の順番が来た時にも一生懸命できるんですよね」と話す岡崎さんからは七ヶ宿での暮らしへの充実ぶりがうかがえます。


組織を超えて一緒にお仕事を。同じ移住者の立場だからこその連携

岡崎さんの隣で、寄り添うように笑顔を見せてくれているのは、七ヶ宿町ふるさと振興課の寺尾主事です。
「岡崎さんが観光協会で活動するようになって、持ち前の明るい性格で町の人たちに溶け込んでくれていて、地域の一体感が増しました」と話す寺尾主事は、今回の「先輩移住者インタビュー」に岡崎さんを推薦してくれた方。
また、ご自身も仙台市からの移住者でもあります。


七ヶ宿町ふるさと振興課の寺尾主事。ご本人も仙台市からの移住者です

寺尾主事が七ヶ宿町を深く知ったきっかけは「わらじで歩こう七ヶ宿」というイベントに参加した事だったそうです。
このイベントは江戸時代の参勤交代などに使用され栄えた七ヶ宿街道の約11キロの道のりを、歴史や自然、人との繋がりを感じながらゆっくりと歩くというもので、役場が主導するだけではなく町民も一丸となり参加者をおもてなしするというスタイルが特徴で、毎年400人ほどが参加する七ヶ宿町の人気イベントの一つとのこと。


町民の方がおもてなしをしてくれる「わらじで歩こう七ヶ宿」

寺尾主事が初めて「わらじで歩こう七ヶ宿」に参加した時は、まだ役場に就職する前だったそうで、きゅうりの漬物、フルーツ、焼き魚など、町の人たちからおもてなしを受け、七ヶ宿の人たちの心意気に心を揺さぶられたそうです。それ以来、寺尾主事の脳裏には「七ヶ宿町は行政と町民が一緒に動く町なんだ」と強く印象付けられたそうです。
以前から働くなら住人の顔が見える所で働きたい!と考えていた事もあって「ここで働こう!」と思い立ち七ヶ宿町役場に就職。今に至るそうです。


「私もでたい!」という熱い思いが開催を実現「しちかしゅくティラノサウルスレース」

岡崎さんが勤務する観光協会は、寺尾主事が勤務するふるさと振興課と同じフロアに席を構えていて、お仕事の方向性が重なるケースも多いといいます。
そんなお二人が二人三脚で盛り上げたお仕事に、町の人気イベント「しちかしゅくティラノサウルスレース」があります。


岡崎さんが持参した着ぐるみを着て「ティラノサウルスレース」の様子を再現してもらいました(笑)

このイベントは、七ヶ宿町観光協会の主催で2024年の春に2回目の開催を果たしました。
岡崎さんによると「ティラノサウルスレース」とは、アメリカ発祥のイベントで、地域おこしや交流人口の拡大などを目的として、日本各地で開催されていたとのこと。
そのユーモアあふれる魅力に触れた岡崎さんは「私もやりたい!参加したい!」と熱い想いをしたため、宮城県内での開催を待ちこがれて家族4人分の恐竜の着ぐるみを購入し準備していたそうです。


軽く走っただけで面白可笑しく見えるのが特徴(七ヶ宿ダム公園にて)

しかし1年間ほど開催を待ったそうですが見込みがなかったので、「それなら宮城県初開催を七ヶ宿でやろう!」と自主運営での開催で計画を始めたそうです。
そんなある日、上司から観光協会としての開催を後押しされます。
観光協会での主催となった事で、広報事業なども充実し、蓋を開けると参加者は募集人数を超える120名ほどを集める盛況ぶりだったそうで、
「観客も含めると500人ぐらいになっていて、なんと東京や新潟などからも集まってくれたんです!」と、岡崎さんは言葉を弾ませます。


マイクをもって自分も一緒に楽しむ岡崎さん

寺尾主事は「岡崎さんのアイディアで、恐竜の着ぐるみを着た参加者と町のお母さんたちが、一緒に”七ヶ宿音頭”を踊るという企画も取り入れたのですが、それがとても楽しそうで好評でした!いろいろな人たちを巻き込む力があるんですよね」と、岡崎さんの地域に溶け込む力に一目置いています。


見ているだけでも面白いが、着ぐるみを着ると更に楽しい!

レースが開催される”七ヶ宿ダム公園”は風が強く、恐竜の首が面白おかしく曲がったり、転んだりと、そのたびにドッと笑いが起きるのだとか。
「七ヶ宿町の広大な自然は、恐竜が走るのに相性が抜群にいいんです。ティラノサウルスレースに参加したり、観に来てくれることが町の観光に大きく貢献しています」と話してくれた寺尾主事も、岡崎さんと同じコスチュームを身にまとって嬉しそうな笑顔を見せてくれました。




これからの展望

七ヶ宿町に惚れ込んで移住を果たし、お仕事でも町の観光に携わっている岡崎さんに、ご自身のこれからをお聞きしました。
「まずは全国の多くの人に七ヶ宿町の名前を知ってもらいたいなと思っています。七ヶ宿には何があって、何ができて、何が食べられて、何が見れて、こんな町だよ、とたくさんの人に知ってもらいたいと思っています。そこから、観光地として考えたり、移住先の候補として考えてもらえたら良いと考えています。そうそう、観光協会のインスタをたくさん投稿し、色んな人の目に触れてもらえるようにしないといけませんね(笑)」と、これからの意気込みを語ってくれました。


長老神社

雪室(天然の冷蔵庫)に保管されたそばは熟成されると糖度が増すのだとか

また「ここに無いものや欲しいものは自分で作らないと手に入りませんからね!」という岡崎さんは、何事も自身で生み出すことが大好きなようで「将来はカフェやジェラート屋さんもやれたらな(笑)」と、個人的な夢も少しだけ話してくれました。



幼少の頃を首都圏で暮らした岡崎さんは、当時はやりたかった事や好きな遊びが出来なくて、生きづらさを感じていたとも打ち明けてくれました。そして最後にこんなことを語ってくれました。
「自然の中に行きたいな〜と小さい頃からず〜っと思っていて。そして雪が好きになって。大切な家族ができて。七ヶ宿にきて妙にしっくりきたんです。『ここ、ここ、ここがそう』と、着地点にたどり着いたような気がしています」





岡崎さんの地域を大切にするまっすぐな想いと七ヶ宿町の自然環境を楽しんでいる姿に魅せられて、インタビューしている私たちも、つい前のめりで聞き入ってしまいました。
美しく晴れた七ヶ宿の風景に相応しいお話しを聞くことができ、私たちにとっても素敵な1日になりました。



岡崎麻美子さんの活動拠点についてはこちらのサイトをご覧ください。

七ヶ宿町観光サイト
https://town.shichikashuku.miyagi.jp/sightseeing/

七ヶ宿町観光協会インスタグラム
https://www.instagram.com/shichikashuku_tta_official/




PAGE TOP

MIYAGI

SUPPORT

相談はこちら

移住・就職の相談をする

(一般の方向け)

宮城県への移住やお仕事に関するご相談は、
お気軽にみやぎ移住サポートセンターに
ご相談ください。

みやぎ移住サポートセンター

TEL090-1559-4714

10時-18時/火曜-日曜(月曜・祝日:休館日)