MIYAGI

INTERVIEW

先輩移住者インタビュー

掲載日:2018年9月30日
更新日:2023年2月21日

七ヶ宿町

心のゆとりと豊かな子育て環境を求めて/小林紗智子さん

  • 子育て

小林紗智子さん

職場は築百年超の古民家

蔵王連峰の南麓、藩政時代には羽州と奥州を結ぶ街道に7つの宿場町が連なった七ヶ宿町。宿場の面影を残す一帯を通り過ぎ、のどかな田園風景の中の一軒家を目指します。看板には「七ヶ宿くらし研究所」。ここが、今回インタビューする小林紗智子さんの職場です。

七ヶ宿くらし研究所は、移住相談をメインに、自然体験イベントの開催やカフェ運営などを行う会社。築百年を超える古民家を活用した建物のどっしりとした佇まいが、広い空と青々とした田んぼ、白い花をつけたそば畑の風景によく似合います。外気温30度以上、真夏の太陽がじりじりと照り付ける暑さでしたが、中は涼風が通り抜けてひんやり。素足に心地いい板間で、お話を伺いました。

「新築一戸建て」「待機児童ゼロ」に「行くしかない!」

小林さんは夫の瞬さんと長男・朔(さく)くん(5歳)、次男・諧(かい)くん(0歳9か月)の4人家族。町の「地域担い手づくり支援住宅事業」を利用して2016年4月に仙台市近郊から移り住みました。

きっかけは、この事業を報じた新聞記事。「新築一戸建てなのに家賃が今の団地と同じ、しかも待機児童ゼロ、と書かれていました。もう、びっくりですよ。不純かもしれないけど、この2点だけで夫婦で『行くしかない!』って…」と笑う小林さん。当時、1歳の長男が保育所に入れず、一時預かりやファミリーサポートを時間ごとに利用して働き、まさに綱渡り状態だったそう。「生活をこなすだけで精いっぱいで、子育てに向き合えないことがつらかった」と振り返ります。

説明を受けるために、七ヶ宿を初めて訪れたのは2015年初夏。「山の新緑がキラキラして、なんて美しいところだろうって感激しました」。こんなに自然豊かな環境で子どもをのびのび育てられればどんなにいいか…夢は膨らみました。

でも、ご主人の転職に不安はなかったのでしょうか。
「家族の暮らす環境が第一、という考えで…楽観的なんでしょうかね。離島じゃないんだからどこでも行けるし働けるよ、って言ってくれました」。
移住を決めると仙南地域で仕事を探した瞬さん。隣の白石市での就職も考えましたが「より地域になじもうと」、地元の農業法人で働くことを決心しました。
紗智子さんも当初は白石市でパート勤めをしますが、2016年7月「七ヶ宿くらし研究所」オープン時に職員に応募、採用され現在に至ります。

地域ぐるみで子育てする、穏やかな日々

3年目に入った七ヶ宿暮らし。家族に起きた変化を聞いてみると、すかさず「長男の性格が変わりました!」と目を輝かせた紗智子さん。「変わったというより、自分らしさが出てきたのかな。ワガママも言うし、とても自由」。

移住前は、集合住宅で物音や大声に気を遣ったり、預け先を転々としたり、ストレスの多い環境だったにも関わらず「すごく聞き分けのいい子だった」と振り返ります。「今思うと、私に余裕がなくて我慢させていたのかもしれません」。
保育所の同級生全員とそのお母さんの顔と名前が分かることも、紗智子さんにとっては新鮮でした。「以前のままなら、わが子のお友だちや好きな遊びも知らないまま、小学校入学を迎えていたかも」と語ります。
「一人で必死で子育てするんじゃなくて、みんなで地域の子どもたちを見守っていく、というのがとても居心地がいい」。家どうしの行き来や預け合いも多く、子どもが多様な体験や出会いの機会に恵まれる環境も気に入っているそう。

「それに、移住しなければ2人目はとても考えられなかった」と、抱っこしている諧(かい)くんを見つめながら話します。「出産は、理解のある職場環境や、自分自身の心の余裕があればこそですから」。

忘れられないのは、生後8日目に役場へ出生届を出したとき。手続きをしてすぐ帰宅するつもりが、「職員さんも町民の方もたくさん声をかけてくれて、なかなか帰れないんです。お披露目会みたいになっちゃった」と笑います。「あぁ、私たちは七ヶ宿に住んでいるのだ、と、このとき心底実感しました。うちに子どもが生まれた、ということをみんなが知って祝福してくれているんだ、って」。
現在は一緒に出勤し「看板ベビー」として活躍中の諧くん。「諧に会いたいから、と、しょっちゅう来てくださるお客さんもいて…」と小林さん、うれしそうです。

七ヶ宿の魅力を伝える側に

田舎ならではの濃密な人付き合いを敬遠する声も聞きますが、小林さんはどう考えているのでしょう。
「確かに『ひっそり』とは生きられませんね(笑)。関わらざるを得ないし、自分たちのことだけ考えては生きていけません。でも人とか社会って、そういうものじゃないかな」。気負わずさらりと話す小林さん。「誰かが困っていれば助けるし、自分もいざとなったら誰かが助けてくれると思えることって、すごく心強いです」

移住相談の窓口となる仕事柄、自分たち自身が町とどう関わっていくかが大事、と夫婦でよく話すそう。「昔ながらのお祭りや地域活動に、地元の一員として率先して参加したい。今後移住してくる人にも、七ヶ宿を好きになってもらえるように頑張ります」。
地元の魅力をどう伝えるか、熱心に語る小林さんは、もうすっかり七ヶ宿の人でした。

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