MIYAGI

INTERVIEW

先輩移住者インタビュー

掲載日:2020年1月6日
更新日:2023年2月21日

七ヶ宿町

小さな町の新拠点を支える静かな情熱人 /成田知将さん

  • 就業

成田知将さん

「面白そう」の直感で移住を決意

国道113号線沿いに2018年春オープンしたまちづくり拠点施設「なないろひろば」。広々としたスペースに木をふんだんに使い、ぬくもりを感じる建物です。カフェと図書館、キッズスペースやショップの入った「Book&Cafe こ・らっしぇ」と、日帰り入浴施設「wood&spa や・すまっしぇ」があり、地元住人だけでなく観光客や山形と宮城を行き来するビジネスマンらでにぎわいます。ここで、働く成田知将さんを訪ねました。

「移住のきっかけはテレビですね」。成田さんの話しぶりはゆっくり、穏やか。仙台市に住んでいたとき、たまたま見た移住・定住の特集番組に、興味をそそられたそう。県内の情報を調べ、七ヶ宿町の取り組みが面白そうだと感じ足を運びました。
移住・定住を支援する「七ヶ宿くらし研究所」を訪ねて話を聞くと、新築住宅に20年住むと譲り受けられる「担い手住宅」の制度があることや、「七ヶ宿まちづくり株式会社」が発足し拠点施設「なないろひろば」が建設中であることが分かりました。しかも、まちづくり会社が社員を募集していることも。
この時点で、成田さんの心はほぼ決まっていました。気になるのは奥様と子どもたちのことですが、小4と小2だった娘さんたちはこのとき同行し、広々とした自然の中で走り回ったりトンボを追いかけたりして大喜び。やっていけそうだと直感したそう。帰宅後その様子を話すと、奥様も賛成してくれました。

移住は短期決戦にあらず。関係作りが重要

成田さんの前職は職業訓練校の講師。離職者向けにパソコンの操作やソフトの使い方、プログラミングなどを教えていました。七ヶ宿町に「一目ぼれ」した後は着々と準備を進め、年度末に退職して2019年3月、移住します。
勤務先は、すでにオープンしていた「なないろひろば」。仕事は多岐にわたり、覚えることが多い職場ですが、成田さんがこれまでの経験してきたことを活かせる面も多く、ひとつひとつ大切に取り組んでいます。仕事を進める上で感じた疑問は、地元出身の同僚などに聞くことからはじめるそう。それは、なぜこうなっているのか、そこにはかならず理由やいきさつがあると考えるからです。「移住は短期決戦ではない」。その土地で一緒に暮らす方々と過ごす時間や、対話を重ねながらゆっくりと関係作りしていくことを、成田さんはとても大切にしています。

「新入り」がなじみやすい懐の深さ

もっとも心配した子どもたちの学校生活も、スムーズにスタート。春休み中に引っ越してきたところ、近くで家を建設中だった大工さんが同じ年頃の子どもを現場に連れてきてくれたおかげで、「学校に入る前に、もうお友だちができていました」とにっこり。
仙台に住んでいた頃は、立て込んだ住宅街で遊び場がなく、通学路も狭くて危険が多いと感じていたそう。七ヶ宿ではのびのび思いっきり遊べるのが、親としては何より安心でうれしいと話します。
一番よかったと感じるのは「たくさんの目が子どもを見守ってくれること」。「おたくの娘さんさっきあそこで見かけたよ」「今日は学校のプールに行ってたね」と毎日のように声をかけられる。「ウチの子が困ってたら、おたくの奥さんに助けてもらったのよ」とお客さんに感謝されたことも。「こういうことは、前の家では考えられませんでした」。

日常生活でも、人とのつながりの深さに助けられることが多いそう。地域特有のローカルルールも、分からないだろうと察して近所の人が教えてくれるし、PTAや町内会、盆踊りなどどんな場面に出かけても知った顔に会えるし、知らない人がいてもすぐに紹介してもらえる。「どこにいても自分の居場所って思えるんですよ」。
親切でおおらかな懐の深さは、移住者を多く受け入れてきた実績があるからではないかと、成田さんは考えます。昔ながらの関係性を残しながら、新入りも最初から地域の一員として認めてもらえる、そんな居心地の良さがあったと言います。

ITで地方のデメリットを減らし、人を呼び込みたい

高齢化率が県内でも上位で、人口減少が進んでいるのが七ヶ宿町の実情。地方の教育や働き方の課題には、ITで解決できることがとても多い。「住むところは都市部である必要はないんです。僕にとっては都市部のほうが面倒なことが多かったから」。ただ現状、七ヶ宿で成田さんの専門であるITの出番はまだ来ていないように思えるそう。
「そこは無理をしません。今は、出番がきたときのために準備をする時期」。これから先のどこかで、ITをうまく活用して、町や会社が抱える課題に有効な解決法を、周りに納得してもらえる形で提案できるようになりたいと考えています。
まずは社内の作業やデータ管理など、手の届く範囲で変えていく。パソコンを習いたいという声に合わせて、教室を開く。そのうち、同じ思いを持つ人が現れれば動きを合わせていこう。と成田さん。
必ず、時は来る。ITの活用で地方のデメリットを減らすことができれば、田舎でゆっくり暮らしたい人が増えるはず。ここに暮らすことに決めたのだから、七ヶ宿の未来を明るくする。それが成田さんの、静かで熱い決意です。

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