IYAGI
INTERVIEW
先輩移住者インタビュー
掲載日:2015年7月21日
更新日:2023年2月21日
山元町
「東北の湘南」と呼ばれる土地で就農/内藤靖人さん
- 農林水産業
内藤靖人さん
「東北の湘南」と呼ばれる土地で就農、きっかけは町に住む人の「願い」
「最初に作ったものは大蒜(にんにく)でした。町の人に元気になってほしいと願って」
宮城県の東南端に位置する山元町は「東北の湘南」と言われる温暖な町。震災では津波によって甚大な被害を受け人口流出が起こり高齢化が急激に進んでしまいました。内藤さんは、その山元町に東京から移り住み、一から農業を始めました。
「きっかけは震災のボランティアでした」当時、内藤さんは東京で社会人4年目を迎えていました。スーツを着て仕事をする毎日でしたが若者を求める町の人と人情に触れ「東京の仕事は代わりになる人はいくらでもいる。ここには自分にしか出来ないことがある…!」
この町を活気づけたいと移住を決意しました。
就農2年目。決して平坦な道ではなく、試行錯誤の繰り返しです。雑草を生えっぱなしにしてみたらどうなるか?と試してみたことも。畑は散々な状態になったが…
「失敗は農業を深く知るチャンスです。雑草魂に共感します」
信念の農業。早く手の皮が厚くなりたい
「農業を初めて、山元町に来て、毎日が濃く気付きや発見の連続です。先輩農家さんは手の皮が分厚いんですよ!憧れます」まわりの先輩農家さんのアドバイスや提案を真摯に受け止めている内藤さんです。マコモダケ作りも町の特産品になると提案を受け、チャレンジします。
「実はまだ無借金です。というのも廃棄するトラクターを直したり、国の補助金を利用してここまでこれました」最初から無担保金融など使うのはリスクが大きいと感じたそうです。解体業者さんから手に入れたこのトラクターのように、捨てる物を安く買い取ることは、内藤さんにも業者さんにとってもプラスになること。「この町には助け合いの精神が根付いているんです。先輩農家さんや町の人に助けていただいたら、お金ではないなにか…たとえばパソコンの技術的なことや、力仕事などでおすそわけするようにしています」自分に出来る事を積極的に。一人の農業は毎日がフル活動。それでも時間をおしまず人の中に入っていく。まるでその行動が畑の肥料になっているようです。
「目下の目標は『農業体験プログラム』の実現です。これは就農や移住までをサポートする事業で、まずは親子を対象に収穫から販売までの体験をするワークショップを開催します。経営の基本を学ぶことも出来ます。この事業の最終目標は山元町へ移住者を増やすことです。年間200人の参加を目標に、そのうち2%が移住者になってくれたら…5年で20人、人口が増えるわけです!」
その他にも内藤さんは「山元町の未来への種まき会議」という山元町内で地域活性化や復興支援に向けて活動する有志団体の集まりに参加しています。ここで民間のIT企業の方と知り合いになり「農業体験プログラム」の構想がより具体的な展開となったそうです。移住したら人に会うことは非常に大切なことです。地元の人だけでなく外の人とも積極的に会うことで内藤さんのように新しいチャンスに巡り合う可能性があるからです。
人と向き合い、農と向き合う 町の未来へ
移住にコミュニケーションは不可欠です。
「野球好きなことが会話のきっかけにもなりました。もし英語が出来たら…先を見つめる農家さんのTPP対策のアドバイスができるかもしれないですよね」
と内藤さん。コミュニケーションは、未来を広げ、想像を超えたところへ連れて行ってくれます。
最後に移住を成功させるためには?
「何か使命感や強い理由を持つことだと思います。『稼ぎたい!』でもいい『健康な生活をしたい!』でも」使命感や強い理由。それは内藤さんにとって、農業で成功し自分に続く就農者を増やすこと、であり、山元町に活気づいてほしいこと。内藤さんの内なる思いが働いてきっとこの町はもっと元気にもっと力強くなることでしょう。
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