MIYAGI

INTERVIEW

先輩移住者インタビュー

掲載日:2022年6月6日
更新日:2023年3月9日

丸森町

丸森から新たな交流の”種”まきを!/ シェアハウス「たね家ビレッジ」早川真理さん、阿部倫子さん、柴田北斗さん

  • 古民家・空き家
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  • 起業・開業

「たね家ビレッジ」早川真理さん、阿部倫子さん、柴田北斗さん

2021年7月に、丸森町佐野地区にオープンした“シェアハウスたね家(たねや)”。
立ち上げたのは、元丸森町地域おこし協力隊の隊員であった早川真理さん、阿部倫子さん、柴田北斗さんの3人です。築100年以上の古民家を改修し、5部屋のパーソナルスペースと、シェアオフィスやキッチンなどの共同スペースを備えたシェアハウスを提供しながら、地域のコミュニティスペースとしての活用も目指しています。
ここ丸森に移住し、”一般社団法人たね家ビレッジ”を運営する3人にお話を伺いました。

この3人の協力隊当時の活動内容は、早川さんと柴田さんは起業型地域おこし協力隊「まるまるまるもりプロジェクト(まるプロ)」としてそれぞれが起業し、阿部さんは町の移住・定住サポートセンターで相談員をしながら、移住者に地域の暮らしや習わしを紹介する「地域の教科書」を作成していたそうです。

たね家ビレッジがある丸森町大内の佐野地区は「里山」という言葉が似合う地域です。 初めて訪れたのにどこか懐かしい、そんな気持ちにさせてくれます。

元地域おこし協力隊の3人

お一人ずつ、丸森町に移住したきっかけや、現在の仕事や活動について伺いました。

代表理事の早川真理さん

 

代表理事の早川さんは東京都のご出身。お母様の実家が仙台市だった縁もあり、東北・宮城がずっと好きだったそうです。「丸森のクラインガルテン(滞在型市民農園)に空きがあると聞き、2004年に移り住みました。観光や食に携わる仕事をしながら、農家民宿的なことをやりたいと考えていました。」と早川さん。その後、栃木に移りましたが「丸森の人たちと仕事がしたい」と再び丸森町へ戻った時、「私はここ以外のどこで宿をやるの?」と気づいたそうです。
「そこから物事が動き出して、地域おこし協力隊としてチャレンジする機会をいただきました。」と丸森町への移住のきっかけを語ってくれました。
2017年10月から3年間、協力隊として活動。2018年7月に空き家を改築して”里山時間体験宿&スイス料理 ヒュッテ・モモ”をオープンしました。野菜をたっぷり使った料理や、里山で過ごすのんびりとしたひと時が好評で多くのお客様が利用しています。

阿部倫子さん

 

阿部さんは石巻市のご出身。「丸森に初めて来たのは13年前。まき割りや畑づくり、手仕事といった里山暮らしを体験できる宿があると知り、通うようになりました。」という阿部さんは、町の人の暮らしぶりや人柄の良さ、地域で助け合う精神に魅せられて住むことを決めました。
その後、一度丸森町を離れましたが「丸森で何かできることはないかと思い考えている中、地域おこし協力隊の話をいただき、仲間に出会えて今に至ります。」と阿部さん。
現在は、町の観光案内所へ勤めながら、伝統産業である養蚕・蚕糸文化を大切に想い”SILKWa(しるくわ)”を立ち上げ、「丸森しるく」素材を生かす活動や、桑茶づくりの活動もされています。

柴田北斗さん

 

柴田さんは名取市のご出身。大学卒業後、東京都内の人材関係企業に就職しましたが、「東北に戻って働きたい」と求人サイトを見ては悶々とした日々を過ごしていたそうです。
そんな時、「学生時代にお世話になった方が『まるプロ』の立ち上げに関わっていて、声を掛けてもらったのをきっかけにチャレンジを決めました。」と柴田さん。
2018年1月から協力隊として活動し、キャリアコンサルタントの資格を活かした協力隊のキャリアサポートを担いながら同年8月には”ヒトラボTOHOKU”を立ち上げました。
東京での経験から、一人ひとりの「幸せ」「豊かさ」「あり方」を探求する自己対話、自己理解のための研究室(ラボ)でありたいという願いを込めて”ヒトラボTOHOKU”と名付けたそうです。

居場所をつくりたい想いが重なった

経歴や仕事の内容も異なる3人が「たね家」を起こしたきっかけを聞いたところ、
「3つのプロジェクトに取り組んでいるそうです。1つ目は里山時間体験宿&スイス料理ヒュッテ・モモ(これは達成)、2つ目は長期滞在型の一棟貸しゲストハウス、3つ目がまだ構想中ですがお団子屋(笑)。」と早川さん。滞在期間が2、3日のヒュッテ・モモですが、ゆっくりと過ごしてもらうことを考えながらも、地域の人との触れ合いが少ないなと、課題を感じていたそうです。
ある時、柴田さんが企画した研修に参加。そこでは地元の人と移住者が属性とか関係なく飲んで語り合っている姿に、衝撃を受けたと言います。この経験から「自主的居酒屋のようなシェアハウスがいいなと、集まった人同士で化学反応が起きて、楽しいこと新しいことが生まれるような気がして。」とその時の閃きを教えてくれました。

3人の出会いを語る早川さん

 

阿部さんは当時、ヒュッテ・モモに下宿し、毎晩のように早川さんと2人で夢を語っていたそうです。また、「協力隊を卒業してから収入が安定するまでの間に過ごす、シェアハウスのような場所が必要」とも考えていました。

一方、協力隊3年目の柴田さんは、新型コロナウイルス感染症が蔓延し始め、仕事がほぼリモートワークになる中、協力隊員のサポートのあり方を模索。
「協力隊1年目のとき、前年の収入で算定される住民税の支払いに困ったことがあって。新たに着任する協力隊員が安価に利用できるサポートに力を入れたい、シェアハウスのような住居を用意できないかをイメージしていたところに真理さんの話を聞き、ぜひ一緒に、とお願いしました。」と柴田さん。

「北斗くんが加わってくれて心強かったです。私たち2人では、妄想に突っ走ってしまうので。」と早川さん。こうして、シェアハウスの実現に向けて前進していきます。

かつては納屋だった建物の二階を改修してコミュニティスペースに

 

みんなが集まれる場所

早川さん、阿部さん、柴田さんのシェアハウスプロジェクト。うまくいかないこともありましたが、空き家の改修では地元の大工さんに手伝ってもらい、壁塗りや壁紙張りのワークショップも行うなど地域の方にも協力いただいたそうです。
オープンして半年、たね家を拠点とした交流が増えつつあります。

「ここで、倫ちゃん(阿部さんの愛称)がワークショップをやったり、北斗君が協力隊の集まりを開催したり。若い人たちがわいわいしているのを地域のみなさんが関心を持ってくれていることも嬉しいです。地域の方も呼んでお酒を酌み交わしたいですね。今はコロナ禍で実現できていませんが。」と、早川さんは少し悔しそうに話してくれました。

古民家ならではの温もりを感じる和室

 

「セミパブリックというか、公共でも個人所有でもない施設が使いやすいな、と改めて思いました。
例えば、カメラ教室をしようとする時に場所がまちづくりセンター(町施設)では、カルチャースクールのような堅い感じになってしまう。一方で、個人宅では行きづらい方もいますし。」と話す柴田さん。キャリアサポートの面談ではオンラインを活用しつつ、直接話したい方にはたね家に来てもらうこともあるとか。

たね家でワークショップを開催した阿部さんは「地域のみなさんや町外の方も交流できる場所を求めていたのかな、と感じています。『たね家でこういうことをやってみたい』と話をもらうこともあって、ここをベースとした繋がりが広がっていく場づくりをしていきたい。」と今後の抱負を教えてくれました。

令和元年東日本台風を乗り越えて

丸森町は令和元年の東日本台風により甚大な被害を受けました。3人もそれぞれの角度から災害対応に携わる事となります。

柴田さんは「SNSに被害の状況があがっていましたが、全容が分からずにはボランティアは出来ない。住民の方が情報交換や物資の融通ができる場所が必要と、協力隊仲間と災害対応のFacebookグループを作りました。多くの方からとても心配いただく中、町内だけではなく町外へ情報共有することも目的の1つに。ボランティアや物資の状況も発信していました。」連日、アップされる情報を確認したり更新したりする作業を続け、グループの登録者数は2300人を超えたそうです。

ヒュッテ・モモも床上浸水の被害を受けました。「家は流されているかも、と諦めていました。でも、避難場所から戻ってみたら浸水を免れた部屋もあって、これなら何とかなると思いました。」と早川さん。
東京から駆けつけた両親や地域の方も復旧を手伝ってくれました。「多くの人達が色んな形で支援してくれて、本当にありがたかったです。」としみじみと当時を振り返ります。
その後、早川さんはヒュッテ・モモをボランティアセンター事務局スタッフ等の宿泊所として提供し、今度は支援する側になり、あの経験から、たね家を防災拠点にしたいという考えになったと言います。

阿部さんは、ボランティアセンターを支援するNGOスタッフの一員として活動。「混乱が落ち着いてからは、地域の防災組織や区長さんとの繋ぎ役として動きました。防災講座を各地区で開いたり、タイムラインをみんなで作ったり。コロナ禍になってからは、全国とオンラインで繋いで講座の場を作ることもしました。」観光案内所の経験や協力隊活動で町内を巡っていた阿部さんだからこそ、円滑なサポートができたのでしょう。

目指せ、丁寧な暮らし

“たね家”の今後の展望を伺いました。
「応援してくださる皆さんと少しずつ作っていけたらいいな、と思います。シェアハウスやアトリエを使って、関心を持ってくださる方や足を運んでくださる方に、丸森の歴史や文化、魅力を伝えながら、いい橋渡し役になりたい」と阿部さん。

早川さんは、「ここに住む協力隊と出会いたい。彼らの望む範囲で、ベタベタせず押し付けでもないサポートをして、彼らに必要な人との繋ぎ役になりたい。」ほかにも、「近々、民泊の許可を取ろうと思っています。」と早川さん。東屋作りや阿部さんが造っているガーデンを通じた交流など、思いが膨らんでいるようです。

柴田さんは、「協力隊のサポート拠点として強化したい。それが自分のやりたいこと。」と話してくれました。生活の面白さや質を高めるような何かができたらいいな、とも思っているそうですが、「僕は朝から晩までずっと仕事しているので、自分自身の余白を作りたいですね。」とも。
果敢に活動する3人ですが「私たちも目指すものは丁寧な暮らしです。」と笑います。

“たね家”は、お蚕さんの卵を育てる「蚕種屋(たねや)」から命名されました。農業の「種」、ひとを育てる「種」など、すべての命の源である「たね」への思いが込められています。
早川さん、阿部さん、柴田さんの柔らかい雰囲気が広がっている”たね家”を拠点に生まれた源は、新たな交流の種まきに繋がることでしょう。

早川さん、阿部さん、柴田さんの暮らしぶりは、こちらでもご覧いただけます。
ぜひ覗いて見て下さい。

一般社団法人たね家ビレッジプロジェクト(https://m.facebook.com/taneya.village/)
里山時間体験宿&スイス家庭料理 ヒュッテ・モモ(https://r.goope.jp/huettemomo)
SILKWa(しるくわ)(https://silkwa.jp/)
ヒトラボTOHOKU(https://hitolabo-tohoku.com)

(2022.1)

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